どてら、褞袍。あるいはキルティングジャケット。

 




日本の古来よりの防寒着。どてら。

なんか聞いたことはあるどてら。変換すると褞袍(もはや読めない)。

自分が使っているパソコンでは「広袖」とも変換される。

名前は聞いたことあるし、記憶の片隅にその姿はあるが、僕は漠然としたイメージしか思い浮かばないどてら。どてらが身近に感じられる人もいるのかもしれないけど。


どてら【褞袍/縕袍】

   大きめ作り、綿を厚く入れた広袖着物防寒寝具用。

主に男子用いる。丹前(たんぜん)。


---小学館『デジタル大辞泉』より---



「どてら」とは、どうやらこういったモノらしい。着物の一種で、防寒具、湯上がりの時なんかに着られていたり、布団がわりでもあるそうな。基本的に長着を指すが、丈が短いものをどてらと呼ぶ地方もある。関西では丹前呼びが多い。ちなみに「ちゃんちゃんこ」は袖なしのものを指し、「はんてん」は作業着的に使われる防寒用の羽織りもので、「羽織」は厳密にいうと礼装らしい。そして...


調べるとキリがない和装。

本当は日本では身近にあったはずなのに、「洋服」の世の中である今となっては非常に距離を感じる。




"refomed" - DOTERA SWEATER- Brown ¥26,400(Tax included)

refomedの「どてら」は厳密にいうとどてらの定義にはハマらないかもしれない。
極薄の表地と裏地の間に薄く中綿が入ったプルオーバーのジャケットかスウェット。
ぱっと見では「キルティング〜」と呼ぶのがしっくり来そう。
ただ、きっとそれより、デザイナーの安藤くんがこの一着に「どてら」という名前をつけたのは、今回のコレクションに込められた祖父へのリスペクトからなんじゃないかと思う。
働くおじいちゃんの着ていた、かっこいい上着の「どてら」の現代的な解釈。
「どてら」が厳密になんであるかは別にして、この身幅が広く、着丈が短くて、深いVネックの柔らかいキルティングのプルオーバー、「DOTERA SWEATER」は確かに安藤くんの中の「どてら」であって、それと同時に「洋服」でもある。

懐かしいような気もするし、新鮮な気もする「どてら」
自分とは違う歴史を見てきた一人のデザイナーが考える「どてら」

洋服としての解釈は着てくれる人に任せられる。スウェットとして捉えても、プルオーバーのジャケットとして捉えてもいい。普段のシャツやカットソーに合わせて、新しさを感じながらスッと受け入れられると思います。





ただ、僕のおじいちゃんが着ていた覚えはあんまりないけど、なぜか懐かしい気がするのはなぜでしょう。
記憶が捏造されていく...



菊池健斗


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