はじまりの白 MATES “TENNIS”
kirettoの菊池です。
今回のブログでは、プレオープン期間のうちからずっと置いておきたいと思った白い靴の紹介。
自分にとって思い入れのあるもので、ちゃんと仕入れたものの中では一番初めにご紹介する事になる一足です。
1947年、スペインで始まったスポーツシューズブランド、MATES
その定番モデルである“TENNIS”
昔、尊敬しているバイヤーさんがスーツに合わせて年季の入ったこれを履いているのを見てからその姿にずっと虜だった靴。
しばらくしてその方のお店で買わせていただいた時はなんか痛く感動したのを覚えている。
そんなわけで僕ももう長いこと愛用中。3年くらい、結構な頻度で履いています。
晴れの日は勿論、雨の日もせっかくの真っ白なスニーカーを泥だらけにしてガシガシ履き続けた結果、風情のある佇まい(感じ方に個人差あり)になりました。
「新しい靴、そろそろ買わないとね、もうだめになっちゃったから捨てなさい」
むかし、中学生くらいの時に気に入って履いていた白いFILAのスニーカーはそうやって母に捨てられました。別に母を恨んでいるわけでもない。ただ、同じものがどうせあるだろうと思っていった量販店にはなく、そのスニーカーとの思い出がだんだん溢れ出してきて、ちょっと感傷的になったのを覚えている。
このスニーカーは履き心地もいいし、長持ちする。
ソールが何故だかなかなか減らないし、革質もいい。革靴みたいに定期的なケアをすればおそらくもっと長持ちする。
素材は足馴染みのいいカーフで、レザーをカット、接合する工程は熟練のおじいちゃん、おばあちゃん職人が全てハンドメイドで仕上げている。そのため細かな調整がされて、足の形に沿うように少し内振りのくびれたシェイプになっている。
もちろん、長持ちするからなんて理由だけでお勧めしたり、「長い目で見るとコスパがいいですよ」なんて常套句でこの靴を売りたいわけではないし、「サステナブルですよ」みたいな言葉をそんなに気にしたことはない。「経年変化どうこう」みたいな文言も、ちょっと聞き飽きた。
ただ、当然のように、なんの感傷もなく使い捨てにされるスニーカーを見ているのも少し嫌になってスニーカーをほとんど履かなくなった自分もいる。
MATESの靴は、そんないろんなスニーカーに飽きた人や、
臭い言葉だけどモノと一緒に思い出を刻みたい人
ただ白いスニーカーを履きたい人
「それどこの?」って聞かれると嬉しくなる人
にお勧めします。
3〜5年後くらいに、ボロボロになったこの靴を見て、さっとゴミ袋に入れることができるか、同居人に疎まれながら玄関に置き続けてしまうか。
その時に、また話を聞かせにきてください。
そしてそのときに、新しい相棒を用意できているように僕も頑張ります。
スペインのおじいちゃん、おばぁちゃん職人さんも(多分)頑張ります。
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