基礎/応用 "MASU" -ZIP-UP OXFORD SHIRTS-

 

"MASU" -ZIP-UP OXFORD SHIRTS-



父がアメリカ出張が多かったこともあり、ブルックスブラザーズやラルフローレンには小さい頃から親しんでいた。

実家にあるシャツはほとんどオックスフォード地だった気がするし、シャツといえばオックスフォードのボタンダウンがまず思い浮かぶ。

洋服屋になった今では、大事な会議でもオックスのBDシャツを着て行った父に「おいおい」と思ってしまうし、なんならクリーニングに出して丁寧に糊をつけてもらっちゃったりしていた母にも「こらこら」と苦言を呈したくなる。

ただ、身長は低いもののガタイの良かった父はBDのオックスが似合っていたし、
もやしみたいな自分には到底真似できない貫禄に今でも憧憬は覚える。

そんなわけで、オックスフォード地のシャツは自分には、帰る家のような安心感を覚えるものだし、基礎でもあったりする。

アメリカントラッド的なスタイルや、いわゆる"渋カジ""ヘビーデューティ"的なお話の中でも常に中心にいたオックスフォード地のシャツ。

最近はなかなか見かけない気がする...




日本のファッションの中でも特異なポジションにいるMASUが、そのシグニチャーモデルであるジップアップのシャツにオックスフォード地を乗せてきたのは意外だった。
色もオーソドックスなオックスフォード地によくある、オレンジがかったイエローとサックスブルー。

デザイナーの後藤さんがヴィンテージに精通していたり、さまざまな洋服の歴史に明るいことはもちろん知っていたが、どちらかというと牧歌的というか、田舎臭いと言うか、お父ちゃん的(これは僕だけかもしれない)なイメージのあるオックスフォード地を、何故。









そんなアメリカントラディショナルなオックスフォード地には似つかわしくない金平糖みたいなシェルボタンと、細くて可愛い引き手のついたジップ。

ただ、方向性が真逆に見える要素が掛け算されて新しい様相を見せてくれるのは好き。







裾の切りっぱなし仕様もMASUらしい。
この番手の糸でこれをやると、経糸の色が結構強いのがよくわかってなんか面白い。

とにかく、およそMASUらしくない生地をMASUらしい形にして、
なんというか、不思議とバランスが取れて見える。





思うに、これは応用問題だなと。

自分みたいな、オックスフォードのシャツに親しんできたタイプの人たちに、新しい可能性を見せてくれるものでもあり、

MASUのファン層だったり、モードなものが好きな方々があまり親しんでこなかったであろう(もしくは離れていたであろう)オックスフォードをそっと差し出してくれる

みたいな。




"MASU" -ZIP-UP OXFORD SHIRTS-

Color LEMON/SAX
Size 46/48

¥34,100(intax)

まぁつまり、誰が着てもハマりますよ〜
に着地するわけですが。


MASU入門としても、アメトラ的アイテムの入門としてもオーケー。

モードでリアルクローズでトラディショナルで新鮮。

クラシックで最先端。

基礎で、応用。



"MASU" -ZIP-UP OXFORD SHIRTS-





菊池健斗


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