純粋で透明な主張 "UN/UNBIENT" -REGULAR COLLAR SHIRT-
白シャツは好きで、春夏秋冬いつでも欠かせない。
夏にサラッと羽織るのも好きだし、ジャケットの下に着るのもキリッとした気持ちになる。
今年は丸首のセーターをそのまま着るのに飽きてきたのでそこに白シャツを合わせているけど、お坊ちゃんみたいな毒気のない服装も、そこを起点にどう崩すか見たいなことを考えられて楽しい。
最近は楽なカットソーやスウェットに押され、なかなか置いてあるところも少なかった気がする白シャツ。
いい一着を探すとキリがなく、これといったものを持っていなかったり、カジュアルウェアとして意外と着るシーンに迷われたりしている気がする。
本当はルールなんてなく、好きに着ればいい。
大体、スーツに白シャツが当たり前の国なんて日本くらいなのだから、
白シャツ=スーツと決めつけるのは早計だ。
日常的に、ちょっと小綺麗になりたいときや、洒落込みたい時、あるいは何も考えずに着ればいい。
そんなわけで、白シャツは欠かせない。
ディティールの微差で何枚も手にとってしまう。
UNBIENTの白シャツは、余計なもののない純粋な一着。
前立て、襟のステッチをなくし、胸ポケットもない。
生地はドレスウェアに用いられる120双のブロードでハリと透明感があるが、
所謂ドレスシャツのような、嫌な縦ジワがないので洗いざらしでも着られる。
ただ、たまにアイロンをかけてピシッと着たくなる気持ちもある。
背面にはギャザーもプリーツもなく、バックヨークが高めで広い背中が潔い。
そういったものがなくても腕の可動域が広く取れるように、袖筒は少し大きめ、
前振りの袖付けでカバーされている。
襟腰も3cmと最近だと少し高いくらいか。
襟の大きさも開き具合も「レギュラーカラーだな」と言う印象。
普通といえば普通。
カフも変わった点がなく、マチやガゼットの仕様もない。
ここまでないないづくしで、シンプルな白シャツは逆に今日日見かけない。と言うか持っていない。
襟が少し小振りだっり、本来あるべきものが省かれていたりする逆の主張見たいなものもない。
シャツは完成された形があるから、余計なもんはいらんのだと言う主張が聞こえてきさえする。
ただ一点だけ、僕が特筆したいディティールがあって、
それはボタンとボタンホールだ。
3mm厚のフラットな白蝶貝ボタンが、しっかりと根巻きされてつけられていて、
ボタンホールも少し広め。
厚みのあるボタンと広めのボタンホールで驚くほど滑らかに開閉できて、
もちろん勝手に外れることもない。
"「日常に根差した服づくり」
趣向品としての洋服ではなく、人々の生活の役に立てる日常着"
その機能性や実用性が由来したディティールが美しさにもなっている。
と言うわけで、
純粋で透明で、主張がないようで、ちゃんと主張してくれる白シャツです。
名脇役になるのは間違い無いですが、主役としてもいかがでしょうか。
菊池健斗
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