薄くて軽くて切なくて大きい "REVERBERATE" -SHAWL COLLAR COAT-
"REVERBERATE" -SHAWL COLLAR COAT-
僕はスプリングコートというものが好きだ。
なんで好きかというと、季節の端境期にしか着られないもので、
元来ジャケットを雨や汚れから守るために着られてきたもので、
つまるところ、防寒性や機能性としての実用着ではない、立ち位置が不安定なもの。
ただ、一番外側に来るから、エレガントさや気の利いたデザイン、工夫が凝らされる。
そのせいで、値段も大体それなりにする。ある意味コスパも悪い。
冬の初めまで着るのであれば、中に着るものにもそれなりの工夫がいる。
なんというか、そこにファッション的な美徳を感じるから。
そろそろ、重いコートやダウンをしまい込んで、ペラペラな軽いコートをはためかせたい。
空気をはらんで、体を覆い隠してくれる薄くて軽いコートを着て肩で風を切って歩く。
今年はフロントの打ち合わせはダブルで、
洒落たショールカラーなんてどうだろうか。
洒落たショールカラーなんてどうだろうか。
襟を立てて着るものでもないが、襟裏のジグザグステッチはグッときてしまうオタク心。
外套のポケットは大きい方がいいだろう。バック代わりにもなるし。
だだっ広く広がるコートの地に、箱型のポケットが可愛く見える。
背中は広くて男らしい。
やっぱ背中で語るもんだと。
日本の職人さんが天然染色で仕上げた生地は曖昧で表現しづらい色味とやれた雰囲気。
黒もいい。
魔法使いさながら。
黒くておっきい服は大体のコーディネートを有無を言わず包み込んでくれる安心感がある。
身幅、約90cm
スネまで届くペラペラのコート。
着ると、その人の体型に合わせてストンと落ちるように計算されているおかげで、
誰が着てもしっくりきて大きすぎないように見える不思議な作り。
日本の短い春を目一杯楽しむためにおすすめします。
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菊池健斗
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