所在のないシャツ "SADE" -SH-03-

 


"SADE" -SH-03-


過去、あまりリリースされてこなかったSADEのシャツ。

ジャケット、トラウザーズ中心のブランドならば、毎シーズン合ってもおかしくないようにも思えるが、SADEのアプローチは毎度ラインナップから予想外だ。


そんなSADEから久しぶりに出たシャツ。




生地は今シーズン展開していたブランベージュのシャークスキン

通常スーツ等に用いられるとろりとしたサマーウールで仕立てられたシャツ。

それだけでも面白いアプローチに見えるが、他にも様子がおかしいところが多々ある。





生地のとろみがある分ゆらゆらしそうな襟は隠ボタンダウンで固定されている。

自分が集めていた某アルマー○の古いシャツなんかによく見られるディティールだが、
この仕様のおかげで襟の形が綺麗に保たれた上に硬い芯地を省けるので着心地も印象も柔らかい。好き。








折り紙のようにうちに折り畳まれたフラップがかわいかった胸ポケットは畳んで入れてスッキリさせても可愛い。


というかそもそも、大ぶりなシャツにはどう考えても不釣り合いに見える小ぶりな、しかもベークライトカラーのボタンが視覚的なバランスを崩して違和感を与えてくる。





バックヨークはギャザーやダーツがなく、広く見える。

袖が前に振られて身幅が広い分背に装飾が入らない仕様。

杢のあるブラウンベージュの生地がゆらめく姿が広い身幅、背中とマッチする。


ディティールを追って行っても何を意識して作られたか、どういうレファレンスがあるのか、全然見えてこない"SH-03"

曖昧な色味も相まって、余計にカテゴライズしづらい一着。

「何と合わせるべき」という所在がないから、「何と合わせてもいい」と思ってください。







菊池健斗


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