BLESSに還る。 "BLESS" - n°73 Ultrawidepleated Caramel Silk-
"BLESS" - n°73 Ultrawide pleated Caramel Silk-
ワイドパンツが市民権を得て、主流になって数年が経った。
思えば自分がちゃんとファッションに興味を持ってからすぐに太いパンツが台頭した気がする。
ユニクロの黒スキニー最強神話が一瞬で瓦解し、揺れるパンツを履き始めてから、およそ10年近く経つだろうか...
そんな太さの概念すら、全て包み込むほど太い、BLESSの定番の一つ"Ultrawide pleated"
毎シーズン生地を変えてリリースされる。
今回は生地量が限られたものの中から２種類ピックしてみました。
今日紹介するのは秋冬として入荷してきたくせに夏にぴったりな生地"CARAMEL SILK"
ブラウン・ピンク・アイボリー・ベージュの4色が入った、
シルク85% リネン10% コットン5%構成される生地。
素材構成は完全に夏です。
色合いはどの季節にも当てはまらなそうなブラウンピンクみたいな、曖昧な色。
どんな人の足でも問答無用で覆い尽くす、ほぼテーパードしない土管シルエットに裾幅28cm
全てが飲み込まれて、属性が"BLESS"に塗り替えられる感じ。
ここまで太いとコミカルになってしまう気がしますが、フロントの３タックがどこかちゃんとした印象を与えてくれます。
ふざけてるはずなのにふざけてる感がない、みたいな絶妙さ。
このパンツ、
「もっとウェストの大きいパンツを無理矢理タックを入れて詰めました！」
みたいなデザインになっていて、タックの縫い目はウェストにまで走っているし、
サイドシームもかなり前寄りになっている。
そのおかげか、ヒップ側がストンとしていて、太すぎるパンツにありがちなヒップのもたつきがありません。
狙ってやってないけど、偶然美しくなったような、気取らない雰囲気。
バックポケットがフラップなしで方ポケなのも、
「本当はクラシックなトラウザーズだったんですけど詰めちゃったんですよ」
と言いたげな仕様。
この一本が魅力的なのは、どんな疑問や、どんなコンプレックスも
深い股上、太いワタリ、広い裾幅、長い股下
が飲み込んで、全て"BLESS"に還元してしまうところ。
なのでトップスはシンプルなもので合わせてしまいがちです。主役になってくれるパンツ。
多分、一人一人が"BLESS"をどう捉えるかで、見え方は180°違ってくる。
大胆だからこそ、解釈の余地がある一本です。
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