懐かしさの先の先 "NICENESS" -PETER-

 




ウェストの大きいパンツを絞ってダボダボに履くなんていうのが禁忌のように思われたのは、どのくらい前だっただろうか...

それまで古着育ちでgo-○etterの大ファンだった僕はもちろんパンツのウェストがガバガバで、

「そんなもんよく履けるなぁ」と言われてなんだか恥ずかしくなって、

いそいそとトラウザーを探し回っていたのを思い出す。





もともと頭でっかちな方なので、「正解のウェスト」みたいなものを感覚ではなく数字で探し回り、何本かトラウザーを買った。
「ファッションは(ある程度)自由でいい」んだから直感的に自分がいいと思ったものを信じようと思えたのはそう遠くない過去です。

そんなわけで、今もパンツのウェストをギュンギュンに縛り上げて履きたい自分が顔を出している。
適当に売ってしまったイタリアのモードブランドのでかいスラックスが、少し恋しい...


"NICENESS"  -PETER-
BROWN/Size M
¥64,800(intax)


昨日紹介したジャケットと共生地のトラウザー。

このパンツには多分「間違い」はありません。

まぁファッションにはもともとないんだけど、特にない。

ウェストがでかいパンツを絞って履くのが「間違い」なら、
このパンツは「間違いを正解に変える」パンツ。



ほとんどの人がフロントボタンを外さずに足を入れられるであろうオーバーインチ。

内側のドローコードで絞って履く前提で作ってある。
装飾的にベルトをしたければ使えるベルトループは案外あると嬉しい。




深い2タックからのびるクリースラインは、見事にセンターを外してますが、絞ったウェストを脇に逃すとかなりセンターに近い位置に来る。




ちなみにサイドシームも無い。
履き心地や生地が綺麗に落ちるだけではなく、どんな体型の人がウェストを絞ってシルエットが変わっても綺麗に履けるようにできている。





ウェストがそうなら裾もそう。
わざわざ丁寧に専用のアジャスターがついた広い裾口は、そのまま履いてためてもいいし、
上で絞って止めてもいい。どちらにせよ、足りないケースを除いて、レングスの問題もこれで存在しなくなる。

無いものはない理由が、あるものはある理由が、ちゃんとある。


初めて履いた時、ウェストギュンギュン時代の懐かしさを覚えました。
あの時の感じ、嫌いじゃなかったな...むしろかっこいいと思ってたし...


ただ、着用時のヒップラインが溜まずにストンと落ちる美しさや、

絞ったウェストがもたつかず、ストレスのない内側のドローコード

サイドシームがないことによる凛とした横顔は、明らかに懐かしさを超えてきた。








背面の"N"は、おまけの茶目っ気。







菊池健斗


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